最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)991 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人の上告理由第一点ないし第四点について。
原判決確定の事実関係によれば、訴外D、Eの手形偽造行為によつて訴外F興産
が損害を蒙つたという因果関係を認めないわけにはいかないから、右D、EはF興
産に対し民法七〇九条の不法行為責任を免れ得ないところである。所論は独自の見
解を主張するものであるか、原判示に副わない事実に立脚して原判決の正当な判断
を攻撃するものであつて採用し難い。
同第五点について。
原判決の確定した事実関係によればF興産のG銀行に支払つた手形金は本件各手
形譲受の対価であつて右F興産が偽造手形なることを知つて譲り受けたというよう
な事実は原判決の確定しないところであるからF興産の損害賠償債権の成立に何ら
欠くるところはなく、従つて被上告人が債権譲渡の方法により右賠償債権を取得す
ることを妨ぐべき理由はない、されば本論旨も採るを得ない。
同第六点について。
原判決確定の事実によれば本件各手形振出行為が「事業の執行に付き」なされた
と認め得べきことは当然であつて、原判決は引用の判例と相反するものではない。
論旨は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 藤 田 八 郎
- 1 -
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
- 2 -